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GISデータで解き明かす!ライフスタイルと効果的なマーケティング戦略|ゼンリンマーケティングソリューションズ

GISデータで解き明かす!
ライフスタイルと効果的なマーケティング戦略

最終更新日:2024/11/19

GISデータで解き明かす!ライフスタイルと効果的なマーケティング戦略

目次

GIS(地理情報システム)の活用がマーケティングにおいて重要性を増しています。膨大なデータと地図情報を組み合わせることで、これまでにない精度の高い分析が可能になり、市場動向の把握や顧客ターゲティングといった高度な戦略策定を実現できるからです。

この記事では、湘南エリアを対象に、GISデータ分析によってどのように効果的なマーケティング戦略を構築できるのかを探っていきます。具体的には、ゼンリンマーケティングソリューションズが提供する築年数データ、マンション賃料ランクデータ、分譲・賃貸マンションデータの3種類のGISデータを用いた分析事例を紹介します。

築年数データ活用でリフォーム戦略を最適化

築年数が経過した住宅は、リフォーム需要が高まる傾向にあります。築年数データを用いることで、築20年以上経過した住宅が多いエリアを特定し、リフォーム営業を効率的に展開することができます。

GISでリフォーム需要の高いエリアを特定(鎌倉市・横須賀市)

分析対象は、比較的小さな一戸建てを除く、延床面積127㎡以上の戸建て住宅に絞ります。この基準は、住宅・土地統計調査から得られた全国の専用住宅一戸建ての1住宅当たり延べ面積(㎡)の平均値126.6㎡を参考に設定しました。神奈川県下の築年数データから、これらの条件に合致する個人家屋の実数および、築年数20年以上経過した住宅の比率を市区町村別に集計した結果、ターゲットとなる住宅が多く、かつ築年数の経過した住宅の比率も高いエリアとして、「鎌倉市」、「横須賀市」が浮かび上がりました。(図1

図1:神奈川県内の築年数20年以上戸建て比率
1:神奈川県内の築年数20年以上戸建て比率

横須賀市の詳細分析「町丁目レベルでの営業活動効率化」

より数値の高い「横須賀市」をターゲットに絞り込み、築年数データを町丁目別に集計することで、「横須賀市」の中でも、よりターゲットの多いエリアを絞り込むことができます。これにより、営業担当者は優先順位の高いエリアから訪問することで、効率的な営業活動を実現することが可能となります。(図2)

図2:横須賀市内の築年数20年以上戸建て比率
図2:横須賀市内の築年数20年以上戸建て比率

さらに、絞り込んだ町丁目上に築年数データを表示し、対象の住宅を延床面積で色分けすることで、営業担当者は訪問前に顧客の住宅規模を把握することができ、より的確な提案を行うことが可能になります。(図3)

図3:横須賀市内の戸建て延床面積
図3:横須賀市内の戸建て延床面積

このように、築年数データを用いることで、リフォーム需要の高いエリアを効率的に特定し、営業活動を最適化できることがわかります。
築年数データについて詳しくはこちら

マンション賃料ランクデータから見る地域特性と顧客ターゲティング

マンション賃料ランクデータを用いることで、地域ごとのライフスタイルや居住者の特徴を把握し、顧客ターゲティングに活用することができます。過去3年間の平均賃料ランク別の増加傾向を分析することで、エリアのステータス変化を捉えることも可能です。

ファミリータイプマンションの賃料ランクとエリア特性

3年前から増加したマンションの物件数を、推定賃料ランク別に集計したところ、ファミリータイプのマンションは、23区に近いエリアと湘南エリアに比較的賃料ランクが高い物件が増えていることがわかりました。(図4)

図4:ファミリータイプマンション賃料帯別割合
図4:ファミリータイプマンション賃料帯別割合

高額賃料帯マンションと富裕層のライフスタイル

湘南エリアをターゲットに絞り込み、ファミリータイプのマンションで推定賃料20万円以上の分布を分析した結果、大船駅、藤沢駅、辻堂駅、茅ヶ崎駅、鎌倉駅、逗子駅の駅周辺にある駅近タイプの物件と、江ノ島、鎌倉江ノ電沿線、逗子、葉山といった海近のリゾートタイプの物件に、高賃料帯のマンションが多く存在することがわかりました。

これらのエリアは、生活利便性と自然環境のバランスが取れた住環境を求めるファミリー層、特に富裕層に人気が高いと考えられます。

また、湘南エリアの高賃料帯の物件は、推定賃料ランクの半数以上が3年前よりも上昇しており、エリアとしてのステータス向上している傾向が見られます。ただし、鎌倉周辺は比較的賃料ランクの変動が少ない点は注目すべき点です。(図5)

図5:湘南エリアのマンション賃料ランク変動「高額帯」
図5:湘南エリアのマンション賃料ランク変動「高額帯」

一方で、ファミリータイプのマンションで推定賃料7.5万円未満の分布を分析した結果、鎌倉市では低価格帯の物件が少なく、逗子、葉山もかなり少ないことが判明しました。これらのエリアは、高所得者層が多く居住するエリアであるため、低価格帯の物件が少ないと考えられます。

藤沢市・茅ヶ崎市における賃料ランクダウンの傾向分析

さらに、過去3年間で、7.5~10万円のランクからランクダウンした物件が2割あり、その多くが藤沢、茅ヶ崎にあることがわかりました。(図6)

図6:湘南エリアのマンション賃料ランク変動「低価格帯」
図6:湘南エリアのマンション賃料ランク変動「低価格帯」

これらのエリアでは、新築マンションの供給が増加しているため、既存マンションの賃料が下落している可能性があります。

GISデータに基づく富裕層向けハウスクリーニング戦略

高所得者層が多く居住するエリアにおいては、富裕層向けのサービス需要が高まっていると考えられます。例えば、マンション賃料ランクの高いエリアに絞り込み、富裕層向けのハウスクリーニングサービスの営業活動を行うといった戦略が考えられます。
マンション賃料ランクデータについて詳しくはこちら

分譲・賃貸マンションデータから地域特性に合わせたブランド戦略構築

分譲・賃貸マンションデータを用いることで、地域ごとのマンション供給状況やブランド別のシェアなどを把握し、地域特性に合わせたブランド戦略に活用することができます。

湘南エリアにおける分譲マンションのブランド別シェア分析

各市区町村別に分譲マンションをブランド別に集計し、地域ごとのシェアを把握した結果、湘南エリアにおいては、リゾートライフを満喫できるタイプや、その土地の風土に溶け込む空間形成が好まれる傾向があることがわかりました。(図7)(図8)

図7:神奈川県内の分譲マンションブランド別シェア
図7:神奈川県内の分譲マンションブランド別シェア
図8:湘南エリアの分譲マンションブランド別シェア
図8:湘南エリアの分譲マンションブランド別シェア

B社成功事例「地域特性に合致したブランド戦略」

上記の分析結果から、ライフステージに合わせて実現できるマンションのラインナップを持つB社が、湘南エリアで強みを活かせている可能性が示唆されました。B社は、ファミリー層からシニア層まで、幅広い層のニーズに対応できるマンションを提供しており、湘南エリアの地域特性に合致したブランド戦略を展開していると考えられます。
分譲・賃貸マンションデータについて詳しくはこちら

複数のGISデータを組み合わせ、相乗効果でマーケティング効果最大化

築年数データ、マンション賃料ランクデータ、分譲・賃貸マンションデータの複数を組み合わせることで、より細やかで効率的なマーケティングが可能となります。例えば、築年数が経過したマンションが多いエリアで、高所得者層向けの高級リフォームを提案するといった戦略が考えられます。

まとめ「GISデータで湘南エリアのマーケティングを進化させる」

GISデータを活用することで、リフォーム需要の高いエリアの特定、高所得者層の居住エリアの特定、地域特性に合わせたブランド戦略など、様々なマーケティング施策を展開できることがわかりました。GISデータの活用は、様々な業界におけるマーケティング戦略において、ますます重要な役割を果たしていくと考えられます。

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