エリアマーケティング事例 横須賀商工会議所様
全国初の試み!個人事業主や小規模企業でもきちんと結果が出る取り組みを実施し地域の更なる発展を目指しています。


横須賀商工会議所
商工会議所は商工業の改善・発展を目的として活動する地域の公益経済団体です。現在(2016年4月時点)全国に514の会議所があり、約125万会員で組織されています。横須賀市を基盤とする横須賀商工会議所は1928(昭和3)年11月に設立され、現在約5,200会員を数えます。
どんな小規模企業でも過去事例を自分事に置き換えてイメージしてもらうことが大事

情報企画課 課長 情報企画課 主任
工藤 幸久様 小幡 純様
横須賀商工会議所様は、会員様支援においてGISによるエリアマーケティングを実施している日本で唯一の商工会議所です(2015年8月現在)。会員様は個人事業主や小規模企業が多く、そういった企業であっても、GISを活用してきちんと成果を出すことができる取組みを一緒に考え、実践してきました。現在行っているゼンリンマーケティングソリューションズ(以下、ZMS)との取組み内容や今後の構想について、情報企画課 課長の工藤 幸久様、主任の小幡 純様にお話を伺いました。
課題解決の鍵は何か教えていただけますか?
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まず相談しましょう
どうすればいいのか
進め方をアドバイス
してもらおう。プロモーション支援の一環としてGISの導入を検討した時に、ビジネスGISの草分け的存在ともいえる平下元社長に縁あってセミナー講演をお願いしたのがきっかけでした。
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一緒に進めよう
経験豊富なスタッフが
「やりたいこと」を
サポートしてくれます。集客力向上・販路拡大のためのセミナーや短期で実際に成果を出すための足元商圏戦略塾など、商工会議所の会員に向けた独自の特別支援プログラムをZMSさんと一緒に考え、実践してきました。
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成果を出そう
成果を出し続けるには
皆さんの積極的な
アプローチが必須です。職員も戦略塾に参加したり、実際に情報企画課内でもGISのシステムを導入することにより、よりGISの知識や経験が増え、会員様への提案や支援の幅も少しずつ広がっています。
課題:ネットと “リアル(GIS)” 両方からの支援で会員の課題解決に導く

GIS戦略塾の様子
ZMSさんとのお付き合いは、会員様へ向けたICT支援の一環で、平下元社長へセミナー講演をお願いしたところから始まりました。
横須賀商工会議所ではインターネットを活用して集客・売上向上を目指すプロモーション支援を実施していますが、その一部として足元商圏の分析を中心としたエリアマーケティングの活用を取り入れることによりネットとリアルの両面から会員様を支援できると考えたのです。
解決:売上・客数の増加など会員様から嬉しい声が続々。周囲からも様々な反響が…!

掲載記事
横須賀商工会議所が主に実施している取組みは次の4つです。
1.商圏分析レポートの提供
各種統計データの指標別の商圏特性を1つのレポートにまとめたもの。会員には無償で提供。
2.伴走型商圏分析サービス
自社保有の顧客情報を地図上にプロットしたり各種統計データを活用して新規見込み客の発掘についてのJアドバイスをZMS社と一緒に支援する。会員限定有償。
3.GISセミナーの開催
少人数制でGIS活用のポイントを事例を踏まえて紹介する。さらにGISを利用した販路拡大・集客拡大を本気で目指す企業に対し足元商圏戦略塾へ誘導。
4.足元商圏戦略塾
GISを活用して販路・集客拡大を目指す少人数制のプロジェクト。経営計画も作成し、計画に沿ったアクションプランを実行する。同時に効果検証も行い、PDCAサイクルを回して短期で結果を出すことが目的。
ZMSさんとこれらの取り組みを始めてから3年になりますが、たくさんの気づきや経験が得られました。例えば、GISではもっとも基本的なことかもしれませんが、顧客情報を保有している会社であれば地図上にプロットしてみるだけでも新しい発見があります。
実際に、横須賀市の北側からは顧客は来ておらず南側からだけだと思っていたら、それは大きな間違いだったとの気づきもありました(電車でいうと、下って横須賀までは来ない。市の北側の人は横浜方面に行く、と思い込んでいたが全体の3~4割は北側から来ていた)。また、セミナー集客は非常に大事です。「”うちは零細だから関係ない”という意識」をいかにこちらに向けるかは非常に大きなところです。セミナーでは、GISを言葉で説明するよりも実事例をいくつか取り入れて分かりやすくストーリー化し、会員様が自分事に置き換えてイメージしやすくなるように工夫をしています。
実際にセミナーや戦略塾に参加された会員様からは「売上・客数ともに増加した」という声だけでなく、具体的に「客数が1.5倍になった」「予約比率が前年の400%を達成した」「売上が前年の130%を確保できた」など大きな成果に繋がったという嬉しい報告も多数届いています。こうした反響は横須賀市内を超え、神奈川新聞やCOMPASS等のメディアにも取り上げていただきました。また今では上記4つの取り組みと並行してESRI Business Analystと各種統計・地図データを導入し、職員も進んでGISに関する支援を行えるよう、ZMSさんにサポートいただきながら体制を整えているところです。
今後の課題として、まずは同じ立場の職員が一定のレベルでヒアリングを行えるようになることです。会員様からの相談に対して的確なアドバイスができるよう、まずは初めに行うヒアリングを仕組み化し、GISを含めた体制を強化していけたらと考えています。ZMSさんとは今まで以上に密な関係で…できれば隣にいるような感覚で、一緒に取り組んでいけたら嬉しいですね。
営業担当者より
横須賀商工会議所様を担当して、6年が経ちました。エリアマーケティング支援のきっかけは、会員個別支援プロジェクト「ヨコスカ・テイキング・オフ」にて商圏分析レポートサービスを導入して頂いたのがきっかけでした。
商工会議所の経営支援が大きく変わる中、横須賀商工会議所はいち早く、企業支援充実化のため「伴走型支援」体制の充実化や職員のスキルアップにGISを導入して、新たな企業支援サービスとして推進してきました。
GISによる分析と言うと規模の大きな企業しか活用出来ないと思われがちですが、小規模事業者でも有効に活用することが出来ます。
これまで経験と勘でご商売なさっていた地元事業者様も、自社の顧客データや過去の取引実績をGISで可視化することにより、実勢商圏の把握や、市場ボリュームがどのくらいあるのか、どこに自社のターゲット層が存在するのかを知ることにより、売上UPに結び付く効率的な販促活動や新規出店などが可能になりました。
小規模事業者様に対する攻めの経営につながる伴走支援が求められているいま、横須賀商工会議所様の会員企業の売上げ向上に向けて全力で支援してまいります。